動画制作者・アセット制作者へ色々インタビューしてみました

動画制作者・アセット制作者へ色々インタビューしてみました

皆様こんにちは、ゲーム実況者のRakushige(らくしげ)と申します。このコラムには3回目の登場で、皆様におかれましてもそろそろ私を認知して頂いても良いかと存じます。

Cities: Skylinesというゲームは2015年発売ですが、2019年3月の時点で売上が600万本を超えているという「6メガヒット」なゲームです。その世界的なCSL流行にシンクロしながら、私たちの日本という国のCSLユーザーコミュニティもの活性化し、プレイ人口が増えて、新しい遊び方が日々探求されています。

CSL公式が認めるように、CSLユーザーコミュニティの活性化の要因で重要なのは、「アセット制作者」と実況プレイなどの「動画投稿者」の存在でしょう。アセット制作者がアセットを作る→実況者がアセットを使ったプレイ動画を投稿する→動画を観た人がCSLをプレイしたいと思う→プレイ人口が増える→新たな遊び方が生まれる→アセットの需要が高まる→アセット制作者がアセットを作る→…という、コミュニティが活性化する良い循環が生まれていることが多々あると感じています。私自身も実況プレイ動画の投稿者の一人として、そうした循環に少しばかりか貢献できていることを実感しています。

私も色々な実況者の動画を見たり、アセット制作者の活動を見て実際にアセットを使ったりしています。そこでふと、「みんなはどういうきっかけで遊んで、ハマっているんだろうか」という素朴な疑問がありました。私は以前にここのコラム記事で高速道路建設の魅力を語りましたが、他の方々は違うところにも魅力を感じているはずです。そこで今回は、様々なアセット制作者と実況者の方々に「Cities: Skylinesを始めたきっかけ」・「アセット/動画を制作したきっかけ」・「Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?」について伺ってみました。

今回ご回答頂いたのは以下の9名の方々です。日本人だけでなく、思い切って海外プレイヤーにも聞いてみました。ファン待望の、普段はお話をあまり聞けない方々にも語って頂き、とても興味深い内容が盛りだくさんでした。ご回答頂いた皆様、この場をお借りして御礼申し上げます!(タイトなスケジュールですみませんでした!)

実況プレイ動画制作者編

  1. みかんさん
  2. Unariさん
  3. コーマさん
  4. がともさん
  5. PHTN Gamingさん

アセット制作者編

  1. komaさん
  2. 紺野つかささん
  3. InHailtさん
  4. 神乃木リュウイチさん

みかんさん

ゆっくり実況者の一人で、CSLの都市開発シミュレーションを楽しみながら美しい街+道路を建設する、みかんさんです。明るい音楽とともにテンポよく進む都市開発と景観制作で多くのファンに楽しませている、CSL界隈での著名ゆっくり実況者です。同じ動画投稿者としては、見やすく細部までこだわった動画編集にも脱帽です。また個人的にはサブチャンネル「みかん箱」の実写鉄道旅動画も密かに楽しんでいます。
Youtubeチャンネル: みかん
Twitter: @mikan_crafter

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけと、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― このゲームを始めたのは、とあるゲーム実況動画がきっかけです。その方の動画を見て「なんだこの面白そうなゲーム!!」と思い、ほかの方の動画も見漁っていました。その数週間後にはなぜか自分もCities: Skylinesをプレイしていました…。アーコワイコワイ。
    始めは「おー!動画の中と同じだ!!すげぇ!」みたいな感じで遊んでいました。もともと地図を眺めるのが好きだったこともあり、Cities: Skylinesにはハマるべくしてハマったという感じです。
  2. Cities: Skylinesを実況動画にしようと思ったきっかけはなんですか?

    ―― 動画にしようと思ったきっかけは、先ほどとは違う動画投稿者さんの動画でした。その方の動画は「さとうささら」というキャラクターの機械音声を用いた動画だったのですが、とてもテンポがよく、見ていて楽しい動画でした。この動画を見て「私もこういう面白い動画を作りたい!」と思ってCities: Skylinesの動画投稿を始めました。私の動画のテンポが全体的に早めなのもこの方の動画の影響が大きいです。
  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― Cities: Skylinesの面白さは1つではなく、複数あると思っています。その一つが「自分の作った町や交通機関を住民が利用してくれる」ことだと思います。働いたり、買い物をしたり、観光をしたり、公共交通機関を利用したり、時には交通渋滞が発生してしまったり…。まるで本物の町のように動いているのを観察したり眺めたりするのが面白いポイントだと思います。
    ほかにも、リアルな街並みを求めてみたり、ジャンクションを再現したり、鉄道の線形を意識したり、人口100万人を目指したり、アセットで超リアルな町を作ったり、市民に汚水を飲ませてみたり…。プレイヤーによって様々な遊び方ができるとろもこのゲームの面白いポイントだと思います。

Unariさん

ゆっくり実況者のUnari(うなり)さんです。MinecraftのRealTrainModの動画を中心としてアップされている有名実況者ですが、Cities: Skylinesの「全手動開発都市」シリーズや「東京再現」シリーズは凄まじい労力による超クオリティの街に仕上がっています。
鉄道にもこだわった街づくりは、鉄道ファン×CSLファンを魅了し続けてやまないです。
Youtubeチャンネル: Unari
Twitter: @unari_

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけと、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― まず挨拶させてください。ウィィィィィィィィッス!どうも~うなりです~!。…失礼いたしました。
    私がCities: Skylinesを始めたきっかけは、元々SimCityという街づくりゲームが好きだったため、たまたまセールをしていたことをきっかけとして始めました。
    最初はバニラ状態で始めましたが、SimCityよりも広大なマップを開発できることや建物のディテールの高さに感動してプレイしてたことを覚えています。
  2. Cities: Skylinesを実況動画にしようと思ったきっかけは?

    ―― MODを駆使してリアルな田舎を開発する動画やリアルな日本を創る動画に影響を受けて、「あっ、私もリアルで鉄道を主点に置いたマップ開発したい!ついでに動画実況者の端くれなのだから動画投稿もしよう!」という軽い気持ちで始めました。
    結局上手く架空の街が造れず、街作りの勉強を実践的に学ぶために東京再現という動画を出して、今に至る状態です。
    しばらくは、現在更新中の東京再現を投稿していきますが、将来的には架空都市に再チャレンジしようと思っております。
  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― Steam版限定となってしまいますが、多数のMODやアセット、DLCを駆使して自分の満足する情景を作り出せる、かつその作り出した情景をリアルにシミュレーションしてくれることが魅力かと思います。
    住民がその街で観光してくれたり、仕事してくれたり、買い物してくれたりなど「生きた箱庭」として時間を忘れて眺めてしまいます。
    また鉄道主点でいえば、曲線などのオリジナルの駅が敷設出来たり、A列車のようにダイヤを組むことなく、ジオラマ感覚で列車を走らせることができます!
    さぁ、見ているあなたも一緒にシティーズ沼へのめり込みましょう!

コーマさん

コンソール版・PC版のCities: Skylinesプレイヤーで、様々なゲームをプレイしている実況者のコーマさんです。Cities: Skylinesでは都市開発を楽しんだり、ミッション攻略にチャレンジしたり、おふざけ系の動画も出されています。最近はPC版でゆる~く日本を再現する「ゆる日本づくり」シリーズにて、各県の特徴を(アバウトにw)押さえて作り、多くの人をバーチャル旅行に連れて行ってくれます。
Youtubeチャンネル: コーマ
Twitter: @kohma_game

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけと、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― もともと街づくりゲームが好きだった事もあり、「SimCityを正統進化させたCities: Skylinesというゲームがあるらしい」ことは知っていたのですが、PCのスペックが足りず泣く泣くスルーしていました。
    そこにPS4版が発売されるということで、鼻息荒く発売日に即買い!
    初めは「ほほーんどれどれ」と軽い気持ちで実況プレイしていたんですが、美しくリアルなグラフィック・街づくりに集中できる低めの難易度設定・街づくりゲームらしからぬ自由度の高さに一気に引き込まれて、気がつけば2年も没頭していますw
  2. Cities: Skylinesを実況動画にしようと思ったきっかけ

    ―― 好きなジャンルのゲームや心の琴線に触れたゲームを実況するのがモットーなんですが、Cities: Skylinesはそのどちらも当てはまったので、迷うことなく実況スタートしました。ただ、皆が驚くような街づくりとかは全く意識しておらず、「CSL初心者が何となくふわっと街を作ります」的ノリでスタートしましたね。今でもそこはあまり変わってませんが・・・。
  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― 本当に色々ありますけど、一番はやっぱり自由度の高さですね! 特に地形を操作できるのが凄い!
    王道の街づくりゲームとしてだけでなく、プレイヤーのアイデア次第で様々な角度から楽しめる間口の広さが魅力だと思います。
    また、発売から5年経った今でも定期的に新DLCがリリースされてますし、PC版では物凄い数のMODや有志の方々のアセットがあるので、「こんな街作りたいな」を実現できる本当に素晴らしいゲームです!

がともさん

ニコニコ動画でボイロによるCities: Skylines実況をアップしており、そしてフォトコンテスト企画者の、がともさんです。広大な地域に開発された街並みと、独特な「巻巻ジャンクション」は力作です。
がともさんはフォトコンテストの前にも「街づくりコンテスト」を開催しており、日本コミュニティの活性化の仕掛け人の一人でもあります。

niconico: がとも
Twitter: @gatomo_

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけと、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― タイトルとの出会いはニコニコの有名実況者の動画をみたことに始まります。ほぼ一目惚れに近く、手軽に綺麗な街をつくれるすごいゲームが出たなと。2018年に購入し、まずは脳内設定全開でバニラプレイを堪能しました。大通りに面した名門校とか、治安の悪い夜の街とかですね(笑)
    何よりも自分が作った街で住人が生活しているというのが面白かったですね。実況を始めてからは少しずつプレイスタイルも変わってきましたが、初めて作った街は今でも区割りや施設の配置を鮮明に思い出せるくらい楽しみました。
  2. Cities: Skylinesを実況動画にしようと思ったきっかけは?

    ―― 「せっかく作った街を他の人にも見てもらいたい」「第三者に評価してもらいたい」と思ったことが動画作成のきっかけでした。これまで箱庭ゲームをプレイしても結局は自己完結、自己満足で終わっていました。自己満足なので良し悪しも自分の尺度でしか測れないんですよね。だったら一度外に出して評価してもらおうと思ったわけです。SNSでの共有にとどまらず「動画」にした理由は、ニコ動の匿名性ゆえにSNSより多くコメントをもらえるだろうと思ったからです。
    こうして振り返ると、「他の人に見て評価してもらう」という考えはフォトコンテストにつながっているんだなと気づきました(笑)
  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― このゲームの面白さはいくつかありますが、強いて一つを挙げるとすれば「バニラプレイもジオラマプレイも両方を許容する懐の深さ」です。
    バニラで渋滞と格闘するもよし、ジオラマプレイで理想の景観都市をつくるもよし。この特徴があるからこそ、ライト層もヘビー層も楽しめるのかなと。
    ちなみに私はその間を行ったり来たりしています。完全なジオラマプレイではないですが、特徴的なエリアやインターチェンジなどは、作りこむということをしています。箱庭ゲーム好きであれば間違いなくハマるので是非自分なりの楽しみを見つけてみてはいかがでしょうか。

PHTN Gamingさん

ベトナム人のCSLプレイヤーで実況者のPHTN Gamingさんです。彼が作る広大な土地への超絶美的でリアルな街並みは、視聴者の度肝を抜きます。高速道路、鉄道、都市景観の観察力と再現力は凄まじく、さらに日本の都市や鉄道にも造詣が深い方です。世界中にファンを持つ彼が、このインタビューに答えてくれました。ちなみに私、Rakushigeはリアルで会ったことがあり、とてもフレンドリーな方でした。※原文英語で、翻訳はRakushige。

Youtubeチャンネル: PHTN Gaming
Twitter: @phtngaming

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけと、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― 自分が子どもの頃から、なにか建設したりするものが好きでした。当時は私の家の金銭事情として、両親が私にPCを買い与えるのは難しかったです。そのため他の人たちとは違い、子供の頃はSimCityなどは持っていませんでした。2012年に最初のノートPCを購入し、Cities XL 2012、Cities XXLが私のもとにやって来ました。これらのゲームのグラフィックは中々良かったのですが、ゲームシステムはあまり良くなくで、開発陣によるサポートもイマイチでコミュニティへの貢献が限られていました。その後2016年、Cities: Skylinesを見つけたのです。最初はCSLの漫画風グラフィックを好まなかったのですが、どんどんプレイするようになり、それ以来、このゲームが大好きになりました。
  2. Cities: Skylinesを実況動画にしようと思ったきっかけは?

    ―― 私の作品群を視聴者へ共有するのが大好きなのです。視聴者は、私の小さな街が巨大な都市に発展していく様子を私と一緒になって観てくれるのです。
  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― プレイヤーがほぼなんでも制御ができて、グラフィックが素晴らしいところです(もちろんいくつかのMODを使いますが)。そしてこのゲームは開発者と販売者の両方による手厚いサポートがあり、とても活発なコミュニティが存在していますね。

komaさん

あなたがCities: Skylinesで日本風景を作るとき、どのようなアセットを導入していますか?その中の多くには、komaさんの建物が含まれているはずです。komaさんはかなりのハイペースで、ハイクオリティな日本の建物のアセットを制作し続けている、精力的なアセットクリエーターの一人です。ワークショップに投稿しているアセットは100件を超えており、住宅や街中で「見かけるわ~」と思える店舗の数々によって、多くの市長たちが感謝をしています。

Steam Workshop: koma
Twitter: @koma_csl

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけや、始めたときの感想を教えて下さい

    ――Cities: Sklinesを購入したのは2017年3月です。街作り系のシミュレーションゲームが好きで、SimCityシリーズをずっとプレイしてきました。
    特にSimCity 4ではBAT(Building Architect Tool)やMODを沢山導入しプレイしていました。その後SimCity 2013で失望し、CitiesXXLで失望し、当時は最小動作環境も満たしていないPCを使っていましたが、思い切って購入しました。
    海外のゲームですので、いろいろと日本とは異なる部分もありましたが、とにかく道路が自由に敷設できる、そしてマップが広い(SimCity 2013をプレイした事がある方は共感していただけると思います)のでストレスなく街を作れる事が楽しくて、このゲームに嵌っていきました。現在プレイ時間は3000時間を超えています。
  2. Cities: Skylinesでアセットを制作しようと思ったきっかけは?

    ―― バニラでも楽しめましたが、やはり日本風の街を作りたいという欲望に駆られていきます。
    当時はTOKACHI269さん、Konno Modelさん、Ryuichi Kaminogiさんなど、今では知らない人はいないようなアセットクリエーターが精力的にアセットを公開されていました。
    その中でも特にTOKACHI269さんが2017年に公開された「寺院 Japanese temple」に衝撃を覚えました。なんでこんなの作れるの?と思った反面自分も作ってみたいという気持ちが芽生えた作品でした。その後、アセットの自作方法をいろんなネット情報で漁り作り始めました。
    初めて投稿したのが2018年12月、ドコモショップでした。初投稿時はメチャクチャ緊張したのを覚えています。製作の苦労の反面、SNSや動画サイトで私のアセットが使われているのを見ると嬉しくなりますね。私のアセットをご利用いただいている市長の皆様に感謝いたします。

    komaさん制作のアセットの一部

  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ――Cities: Skylinesは都市経営シミュレーションゲームですが、動くジオラマを作るという楽しみもあります。私のCities: Skylinesは現在100%ジオラマ作成ゲームと化しています。中にはジオラマを作りながら都市経営も同時にされている市長さんもいらっしゃいますね。
    また、現在ワークショップには20万を超えるアセットやMODが公開されています。自身の好みの街を作るためのアセットを探すという楽しみもあります。ユーザーのプレイスタイルによって様々な楽しみ方が出来るのが最大の魅力だと思います。
    最近の外出自粛の影響も少しはあるかもしれませんが、アセットを製作公開される方が増えたのは嬉しいことです。プレイ中にこんなアセットが欲しいと思えば作ってゲームに反映させることも出来ます。(製作の苦労はありますが)
    いろんな顔をもつ Cities: Skylines というゲームのプレイ人口が、もっともっと増えてくれるといいなと思っています。

紺野つかささん


Cities: Skylinesで日本風景を作るには欠かせない、日本車・日本の線路・道路のアセット(ネットワーク)を中心に制作されているアセットクリエーター、紺野つかささんです。フォトコンテストや実況プレイ動画でも、紺野さんの制作したアセットは必ずと言っていいほどに登場します。知識に裏打ちされた細部へのこだわりと豊かなバリエーションで構成されるアセット群は、日本風の風景を作る多くの人がお世話になっていること間違いなしです。
Steam Workshop: Konno Model
Twitter: @Konno_Model

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけや、始めたときの感想を教えて下さい

    ――19年前、A列車でいこう2001に暇さえあればやり続ける程ハマり、それ以降SimCityなどの都市開発系シミュレーションが好きになり、Steamで同様のゲームを探していたところCities: Skylinesを見つけたのが始めたきっかけになります。
    始めた当初はSimCityのパクりだと思いながらプレイしていましたが、基本的に自由度が高く、MODやアセットの導入は非常に簡単で、81 TilesなどのMODを使えば開発範囲はいくらでも広げられる。これはSim Cityのパクりどころか上をいくものだと遊んでいて思いました。
    当時は日本風アセットもあまりなく、ほぼバニラに近いアセットたちで町を作っていましたが、これはこれで楽しくCities: Skylines本来の都市経営シミュレーションを堪能していました。
  2. Cities: Skylinesでアセットを制作しようと思ったきっかけは?

    ―― 2016年5月にこのゲームを購入し、しばらくの間バニラで遊んでいましたが、日本風アセットを導入するにつれ、段々と日本風の街を作りたい思いが強くなってきました。
    しかし、日本風の街を作り上げるにはアセットの数が圧倒的に足りていませんでした。
    そこで、13年前に流行ったゲームで3Dモデリングを行った経験があり、3Dデータをゲームアセットとしてコンバートする方法も非常に簡単であったので、理想の日本風ジオラマを作り上げるべく、日本風アセットを量産する事になりました。これが、アセットを作ろうと思ったきっかけです。

    紺野さん制作の日本道路の一部

  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― このゲームの面白さは色々あると思います。
    バニラで本来の都市経営シミュレーションをする。MODアセットモリモリでジオラマプレイをする。アセットやMODを作って実際に稼働する様を観察するなど。
    私はミニチュアやジオラマが好きなのですが、実物のジオラマは作っても場所を取ってしまいます。
    しかし、Cities: Skylinesなら場所を取らないどころか、車や人もシミュレートされ稼働するという実際のジオラマで実現するのが難しい事も簡単に可能で、欲しい乗物や建物も3Dモデリングが出来れば用意することができます。
    PCの性能とオブジェクト制限が許す限り、可能性は無限大で理想のジオラマを簡単に作り上げる事ができるのがこのゲームの面白さだと私は思います。

InHailtさん


オランダ人のアセット制作者であるInHailtさんは、日本の新幹線・寝台特急・特急車両などの日本の象徴的な鉄道車両などのアセットを多数制作されています。日本のコミュニティにも常に顔を出し、世界中の方々と関わりを持つフレンドリーな彼ですが、なぜ日本の車両を作っているのか?という点を回答してくれました。ちなみにこの彼が使用しているアイコンは彼の顔ではなく、オランダの首相だそうです。なんで?笑 ※原文英語、翻訳はRakushige。
Steam Workshop: InHailt
Twitter: @InHailt


―― どうも、groeten vanuit Nederland(オランダからこんにちは)。私の名前はInHailtです。私はオランダ人のアセット制作者でして、特に日本の鉄道インフラ、主に列車に焦点を当てています。今日は皆さんに私がどのようにしてCSLのアセット制作者になり、何が私をこのゲームにハマった理由の話をしたいと思います。

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけや、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― 何がきっかけだったかはわからないです。Youtubeで動画を観たか、友達の一人がこのゲームを私に薦めてきたかのどちらかだと思います。そこから、古いノートPCで、ほとんどオランダのアセットを使って、MODを使ったCSLで実験を始めたのです。これはこのゲームを購入した2017年頃だったと思います。その時は既存のMODを使ったり使わなかったりするくらいで、それほど広範囲な遊び方はしていませんでした。
  2. Cities: Skylinesでアセットを制作しようと思ったきっかけは?

    ―― このインタビューの面白い部分ですね。私は2018年に初めて日本に行くまで、海外旅行をしたことはありませんでした。若い頃には電車が大好きだったのですが、成田エクスプレスを見たときすぐに、私の中で電車への情熱がよみがえりました。日本ではどこでもかっこいい電車を見かけ、これらの現代的な列車と古い列車が隣同士になることがとても好きでした。なので私はこうしたあらゆるカッコいい列車がある日本の街を作りたくなったのですが、Workshopには私がほしい列車は皆無で、あったとしても非常に古いものでした。そこで私の計画はCities: Skylines用に、これまでにない唯一のアセットとして成田エクスプレスを作るというものでした。Workshop公開後の最初の週でに3,300人のサブスクライブがあり、人々が私の作品を本当に気に入っているのだと思いました。この時、私はREV0に会い、彼は私を弟子にしてくれました。1年後、私はいくつもの日本の象徴的な鉄道車両アセットをリリースし、そしてもっと建物もリリースする予定なのです!

    InHailt氏作成のトワイライトエクスプレス

  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― 私が答えられる最良の例は、私に列車制作を依頼した人たちからのものだと思います。彼/彼女らはみな日本人ではなかったので、その裏にはストーリーがあるはずです。ある人はある鉄道が彼の新婚旅行を助けてくれたことを話してくれたし、別の人は日本での生活と日本で列車に乗ったことを話してくれました。このゲームは、私の日本への休暇を含め、人々が持っている記憶を再創造し蘇らせる可能性があるのです。このゲームは、世界中の新しい人々に出会わせてもくれます。私は日本のCSL Discordサーバーにいるオランダ人ですしね。私の鉄道制作を助けてくれている人たちと、いつの日かオンラインの友情がオフラインになれば良いなと思ってます。
    もし私の作品を気に入ってくれたら、Twitterに新作の進捗やリリース情報を載せているので是非フォローしてください。もし私のコンテンツをPC版の街で使いたいという場合は、Steam Workshopページもご覧くださいね!

神乃木リュウイチさん

Cities: Skylinesをプレイしている人や動画を探している人は、CSLでの日本風景制作の第一人者である「神乃木リュウイチ」さんの動画やアセットを見たことはあるでしょう。
超ハイクオリティな街・動画とアセットを制作する、日本人CSLプレイヤー/クリエイターの中で最も有名な一人である神乃木リュウイチさんは、CSL公式から建物DLC「Modern Japan」をリリースするなど、もはや公式側の人です。
CSL Japan Discordサーバーの立ち上げ人・管理人の一人であり、日本コミュニティのリーダーでもあります。

Youtube: Ryuichi Kaminogi
Steam Workshop: Ryuichi Kaminogi
Twitter: @kaminogi

  1. Cities: Skylinesを始めたきっかけや、始めたときの感想を教えて下さい

    ―― 当初の感想は、「これほぼSimCityじゃん」でしたね。区画を整備してインフラを整えて渋滞対策をする。その辺りのゲームプレイの基本はSimCityの操作感ほぼそのままだったように覚えています。
    もちろん、その時はまだ「一時期ものすごくのめり込むけど、いずれ飽きてしばらく触らなくなるゲーム」の一つだったんですよね。
    意識が変わったのは、海外のプレイヤーアップした動画がいわゆる「ジオラマ」の街づくりをやっているのを見たときですね。「こんなに作り込めるのか!」と愕然とする一方で、「もしかして自分でも出来るんじゃね?」と安直に思ってしまいました(笑)
  2. Cities: Skylinesでアセットを制作しようと思ったきっかけは?

    ―― これはもう自然に、でしたね。というのも、自分は大昔に3Dを触ったことがあるのと、3Dに必要不可欠なPhotoshopでの画像制作を仕事でやっていたからです。なので簡単な看板を作って勝手を覚えた後は、「これが足りない」と思うものを積極的に作っていきました。
    私の制作スタイルの特徴は、なんと言っても「動画とアセットを両方作っている」ことだと思っています。実際に街を作る上で出てきた課題を、そのまま制作にフィードバックできるんですよね。だからこそ、ユーザーが必要と感じるものをたくさん出せて、これまでたくさんの支持を頂けたのかなと自分では思っています。

    神乃木さん制作のアセットの一部

  3. Cities: Skylinesの面白さとはなんだと思いますか?

    ―― 「3Dの都市デザインツールとして超優秀」これに尽きると思います(笑)。私はこのゲームをあまり「ゲーム」とは思っていないんですよね。壮大な「動くジオラマ」制作ツールだと思ってます。
    似たようなソフトはたくさんありますが、これは元がゲームなだけに、人や流通のシミュレーションがとてもリアル(笑)。だから、作り上げた町にはリアリティがあって、「生きた町」に見える。そして、クリエイターが提供する様々なものを使って更なるリアリティを目指せるし、自分も制作を通して貢献できる。
    こういった「ワクワクするようなリアリティ」と、「そのリアリティに制作で貢献できる」という二点が、このゲームの一番の面白さだと、私は思っています。

インタビューを終えて

今回は9名もの、CSLコミュニティで活躍されている方々にお話を伺うことができました。皆様それぞれのきっかけがあり、それぞれが違うところに楽しみ方を見出しているのがわかりますね。しかし私たちの共通点は、全員がCities: Skylinesというゲームにどっぷりとハマっていることです。
私が「始めたきっかけ」というのを中心に聞いたのは、今でこそこのゲームの上級者の方々には普段あまり聞けない、初めての時の気持ちやワクワク感を話してもらいたかったのです。私含めて読者の皆様に、クリエイターたちの「ワクワク感」を共有してもらうことで、また新しい価値観をもってこのゲームに触れることができるのではないかと思いました。

さて2020/5/30(土)22:00~にて、いよいよ第1回CSLフォトコンテストの最終審査の生放送があります。私も審査員として出演予定です。ぜひともご覧頂き、楽しいお祭にしましょう!


それでは皆様、フォトコンテストの生放送でお会いしましょう。