皆様こんにちは。初めましての方は初めまして、ご存知の方はいつもありがとございます。らくしげ(Rakushige)と申します。PC版のCities: Skylinesで実況動画をアップしている者です。
Cities: Skylinesは広く知られている通り、ユーザーにより制作された外部ツールである「MOD」を導入することによってゲームの機能を拡張することができます。この記事では、CSL標準の機能だけでは作り出せないような「景観都市」を作るための、初心者向けオススメのMODを紹介します。
とは言え、CSLのMOD紹介ページは日本語でも山程あります。特に景観都市を作るにあたっての必須MOD情報については、TOKACHI269さんがまとめている「景観都市に必要なMOD一覧」というページが非常に参考になります。
そのため、この記事では景観都市を作るための導入として、私自身がどういった場面でMODを活かしているのかということを簡単に説明します。ということで景観都市を制作するための必須MODは、10個の抜粋での紹介としています。また各MODの詳しい操作や設定方法についてはそれぞれのSteam Workshopページの説明や他の紹介サイトがたくさんありますので、興味を持ちましたらぜひご自身で詳しくお調べください。
尚、お決まりの文言ですが、MODは開発元ではなく有志によって制作されているため、バグがあったり動作不安を引き起こす場合があります。MODの導入は自己責任となります。
Move It!
CSL上に存在するオブジェクトに直接触れて移動、コピー、削除、整列ができるようになります。景観都市を制作するに当たっての必須MODの一つです。
景観都市を制作するためには、区画を設定して建物を生やすという通常の「Glowable」な建物もGlowable以外の建物(「Building」)も、Move It!を用いて設置することをオススメします。CSL標準の設置方法では道路と建物の間が空きすぎたり、建物間の幅は逆に詰まり過ぎたりしますします。
Move It!で道路と建物の間を詰めたり、建物間を拡げてフェンスを設置するといった調整をすると、景観としてよりリアリティを出すことができるでしょう。
また当然のことながら、道路、線路などの「Network」の角度・長さを微調整するためにもMove It!は必要です。高速道路のジャンクションやインターチェンジを制作する際にも大変有用です。Move It!を用いてJCT/ICを制作する場合、まずは雑にでも道路同士をつなげて、粗い形状を作り上げてしまいます。
その後、Move It!で長さ、角度、高さを微調整していくことで、思い通りのJCT/ICを制作していくことができます。
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Find It!
Propや建物を名前から検索して建設することが可能です。
個人的にこのMODの大変便利だと感じるのは、作者名でも検索ができる機能です。日本風の街並みを作りたいと思ったとき、大量に日本風アセットを導入している場合はアセットの名前すら忘れる場合があります。そこで一つ一つのオブジェクトだけでなく、主要なアセット・クリエイターの名前を覚えておけば、目的のアセットを探し出すことができるようになります。
またオブジェクトに「タグ」をつけることができるので、自分の好きなカテゴリーを作ったりすることができます。例えば私の場合、車のプロップには全て「car」というタグを付けて検索できるようにしています。
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Fine Road Anarchy
道路を始めとする「Network」をどのような形状・場所にも設置できるようにするMODです。Ctl + Aで有効化できます。
景観都市という観点で記載するならば、TOKACHI269さんが制作された電柱+電線のNetworkを設置するのにこのMODが必要となります。このアセット(Network)は、道路と重ねて電柱を設置するとそのままでは電柱が表示されません。
これを回避するためには、Fine Road Anarchyを導入した状態でAlt + Cを押すことでNetwork同士が重なっても電柱が表示されるようになります。
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- Fine Road Anarchy 2
※Fine Road Anarchyは元々の開発者とは別の人が開発を続け、今はVersion 2がリリースされていますのでそのリンクを貼っています。
Plop the Growables
景観都市を制作するための住宅や商業施設のアセットはGlowableで制作されていることも多々あります。ただしFind It!とMove It!の組み合わせにてGlowableの建物を設置する場合、通常だと区画が無いところにGlowableの建物を設置しても表示されずに消えてまいます。
それを回避するのにはこのMODが必須です。このMODを有効にすることで、Glowableとして制作されたアセットが表示されるようになります。
内部的には、このMODは全てのGlowableの建物を「歴史的建造物」にして消されないようにし、建物のレベルアップも止める、という機能を持っているようです。そのため、Glowableの建物をどこに設置しても消えないようになります。
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Loading Screen Mod
景観都市を制作するにあたっては多くのアセット導入を必要とします。1,000~2,000くらいのアセット導入は最小限くらいで、リアリティを追求する人となると5,000~10,000種類ほどのアセットを導入している場合も多々あるでしょう。
アセットの中には複数のアセット導入が必須のものがあり、これに気づかずに導入すると、表示が不完全な状態になります。このMODを導入すると、どのアセットの導入が足りていないかを表示してくれます。
MODのオプションでエラーログをHTML形式で出力し、アセットのサブスクライブ忘れを解消することができます。
またこのMODは、多くのアセットを導入している場合にメモリの処理等を最適化することによってローディングを高速化しています。また最近追加された「Safe Mode」を有効にすると、CSLでたまに発生してしまう”Simulation Error”によって壊れてしまったセーブデータを開ける可能性があります。
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Mini FPS Booster
景観都市を制作する場合、多くのMODやアセットを導入することになります。また細かなプロップや建物を多く設置していくと、ゲーム中のフレームレートがどんどん低下していくことになります。
このMODは導入することで、フレームレートが5~15%ほど改善します。このMODはゲームエンジンであるUnityのRaycastと呼ばれる機能の計算を減らすことで動作速度を改善しています。
フレームレートが落ちた状態でのゲーム操作はストレスが溜まります。それを少しでも解消するために、無条件にフレームレートが上がるこのMODは導入しておいて間違いはないでしょう。
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Camera Positions Utility
CSLの標準カメラよりも接写・広角にすることができるMODです。
プロップを設置する場合など、細かな作業を行うときにCSLの標準カメラでは接写に限界があります。
このMODを使用することで、より接写で細かな作業を楽にできます。
「Enhanced Zoom Continued」という有名なMODもこのような機能を持ちます。しかしEnhanced Zoom Continuedは焦点深度の調整ができなくなるというバグがあり、それが長らく解消されていません。そのためCamera Positions Utilityを使用するのをオススメします。
また動画製作者にとっては、後述のCinematic Camera Extendedと組み合わせて使うことで、様々なショットで撮影をすることができるようになります。動画のみならず、静止画を撮影するのにも接写や望遠は表現の幅を広げてくれるでしょう。
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Cinematic Camera Extended
景観都市の制作にかかわらずではありますが、動画製作者にとっては制作した都市を美しい動画として見せたいという気持ちがあると思います。Cinematic Camera Extendedは名前の通り、動画撮影のために映画のようなカメラワークを設定することができます。
上述のCamera Positions Utilityと組み合わせることで、接写での撮影や望遠からのズームなど様々なショットを撮影することができるようになり、映像表現の幅を広げられることうけあいです。
重要なこととして、このMODにはフレームレートやゲームスピード自体を低下させる機能があります。つまりスローモーションでの撮影が可能になります。動画製作者にとっては、スローモーションで撮影した後に編集でX倍速をかけることで、コマ落ちの無い滑らかな動画を撮影する事ができるようになります。
このMODの詳しい使い方については、YoutubeのCSL公式チャンネルのFluxtransという方のチュートリアルが大変よくまとまっています。こちらを観て一通りの機能を自分自身で操作して確かめることをオススメします。
How to Use the Cinematic Camera Mod by Fluxtrance | Mod Workshop | Cities: Skylines
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Remove Need For Pipes & Remove Need For Power Lines
景観都市を制作する際に一応気をつけるべきこととして、都市として機能させることが理想的であるということです。つまり人や車の往来を景観に入れることで、より一層のリアリティが追求できます。
CSLの中で人や車の往来をさせるためには、建物がゲーム内のオブジェクトとして機能する必要があります。そのためには水道管と電線が必須になります。このMODは、都市が機能するのに水道管と電線を不要とします。水道管はまだしも、景観都市を作るのにCSL標準の電線はあまりにも不格好ですので、導入するのが手です。
このMODを始めとして、景観都市を作るためにゲームシステムに手を入れるMODを導入する場合、CSLの都市発展シミュレーションとしてのゲーム性はいよいよ失われます。都市発展シミュレーションとして遊んでいるセーブデータを読み込む場合は、こうしたMODの機能は切ることをオススメします。
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おわりに
この記事では景観都市を制作するためのオススメMODを、実際の使いどころなどを説明しつつ紹介していきました。
コンテストのテーマに沿った街づくり+写真撮影をする際の参考になれば幸いです。また、ここで紹介していないMODでも便利なものがSteam Workshopに多く公開されていますので、ぜひ自分でもMODを探して、使いどころを練ってみてください。
それでは、コンテストへの皆様からの多数の応募を楽しみにお待ちしています。