【MOD紹介】Load Order Toolのすゝめ

【MOD紹介】Load Order Toolのすゝめ

皆様こんにちは。ケミカルと申します。

今回は超便利ツール「Load Order Tool」について解説します。

(2023/06/04更新)記事は Load Order Mod(オリジナル版)に準拠した内容で陳腐化しています。補足説明はこちらの記事をご覧ください。

はじめに

ワークショップには沢山のアセットやMODがあります。気に入ったアセットを見つけると、僕は起動時間が延びることを棚に上げて、ついついサブスクライブしすぎてしまいます。一方で(マシンスペックや、冗長なMOD構成の問題もありますが)、最も直接的にマップの起動時間を延ばしているのは、アセットの読み込み時間の増加、つまりアセット総数が増えることです。サブスクライブ数を増やすことは負荷を増やすばかりで、マシン的には望ましくないことです。かといって、読み込み時間を減らすために、欲しいアセットをサブスクライブし控えるべきかは、大変悩ましいですね。

実は、ワークショップでのサブスクライブ数を減らすことなく、アセット数、そして読み込み時間を減らす手段があります。それがアセットの無効化です。皆さんは1度のサブスクライブで入手するアセットの数が必ずしも1ではないことをご存知ですか。アセットクリエイターの方々はよく、1つのアイテムに複数のアセットを入れ込みます。しかし入れ込まれたアセットがいずれの人にも必要なものではないことは、昨今のプレイスタイルの多様性を見れば言うまでもありません。

従って、サブスクライブしたアイテムの中から、自分の環境に不要なアセットを削ることができれば、サブスクライブ数を減らさずにアセット数と読み込み時間を減らせそうです。

ここで使うのがコンテンツマネージャーですが、これよりもさらに使いやすい外部ツールが、今回紹介する「Load Order Tool (LOT)」です。

なお上記はLOTのほんの一部の機能です。用途が多岐にわたるため、今回は一部機能の説明に絞って解説します。

MODの導入・起動

ツールが入っている「Load Order Mod 2(LOM2)」または「Load Order Mod(LOM1)」に加え、LOM1,LOM2の前提MODである「Patch Loader Mod」「Harmony 2」をサブスクライブします。

現在(2023/4/xx)LOM2はα版のMODなので、特に注意を払い慎重に使用してください。決して急いで導入しないでください。Windowsの市長様方は安定なLOM1をサブスクライブするのも1つの手です。

LOM1をダウンロードした方は、ワークショップの説明文に従い、Runtime.Netの6以降をダウンロードし適用します。ツールの動作にRuntime.Net6を使用するため、LOT(LOM1)はWindows限定の動作となります。LOT(LOM2)はMacやLinuxに対応しているそうなので、MacやLinuxの市長方は必然的にこちらを使うことになりそうです(筆者がWindowsのため情報求む)。

MODすべてをコンテンツマネージャーから有効にしたら、シティーズを終了します。LOT(LOM1)を使う場合は必ず、シティーズを終了させてから起動させてください。LOT(LOM1)起動中にシティーズを起動しないでください。

Load Order Tool(LOM1)の使い方

ツールを開くとこのような表示が出ます。

上から2段目の列を見ると「Mods」「Assets」「DLC」「LSM」「Launch」とある。

Modsの使い方

Modsでは名前の通りMODに関する制御ができ、Includeのチェックボックスで、サブスクライブ/アンサブスクライブと同様の動作が、Enabledのチェックボックスで、コンテンツマネージャーによるMODの有効化/無効化と同様の動作ができます。

おや。”Out Of Date”やら”There are broken Downroads!”やらと表記されています。赤字で怖いですね。しかし恐れることはありません。これは新着の更新が来ている証です。慌てずダウンロードしましょう。

操作したいMODの列上で右クリックを押そう

Statusが赤字のMODの列の上にカーソルを置き、右クリックの後Redownloadをします。すぐには反映されないのでダウンロードを待って、LOTを開きなおすなどの方法でキャッシュをクリアします。

すべてのMODでRedownloadを行えば、There are broken Downroads!など赤字表記も消えるはずです。消えない場合は、一時的にIncludeにチェックをつけてRedownloadを実施したり、Open In Workshopして直接アンサブスクライブ→再サブスクライブしたり、Steamの通信不具合が解消されるまで待ってみてはいかがでしょうか。

ちなみにThere are broken Downroads!の表記がある状態でシティーズを起動すると、デバッグから警告が飛んでお知らせしてくれます。シティーズを起動前には必ずLOTを起動して確認しておきましょう。

Assetsの使い方

ここからが本題。ここで必要のないアセットを無効化できます。「でもどれが自分にとって必要のないアセットだかわかんないよ~」という声が聞こえた気がしたので、ここからはAssetsの強力な検索/ソート機能をご覧いただきます。Filter(検索機能)では作者の名前で検索ができたり、公開アイテムの名前でもアセットの名前でもファイル名でも検索できます。

ワークショップのアイテム名で検索できるため、日本語検索も可能。

Tagsではアセットの種別で検索ができます。絞り込みが簡単にできるのでおすすめです。ちなみにModsでも同じような検索ができるのでぜひしてみてくださいね。

ModsでMODをアンサブスクライブせずにIncludedのチェックを外した方に向けて注意事項があるのですが、ModsでIncludeのチェックを外したMODに付属するアセットはAssetsで必ず除外しなければなりません。Tagsの「Mod」タグで検索して、除外漏れには特に気を付けましょう。

LSMの使い方

LSMではMOD「Loading Screen Mod」と連携して、Loading Screen Modの機能が制御できます。

正しいSkipファイルのアドレスを指定してSkipにチェックを入れると、通常では読み飛ばせないバニラアセットを読み飛ばすことができますが、LSMがあればLoading Screen Modのオプション画面を開かずともオンオフができます。

また、セーブデータで使っているアセットを読み込むLoad Usedを有効にするのもいいでしょう。

ちなみにLoad EnabledをオフにするとMODなしで読み込みができるのでやりたい方はどうぞ。押し間違えにご注意ください。

プロファイルの使い方

そして、これがLOTの神髄。プロファイルの使い方について解説します。

少し話が戻りますが、Modsの使い方の項にて「Includeをオフすることでアンサブスクライブと同様の動作ができる」と説明しました。しかし内部的にはアンサブスクライブとexcludedには明確な違いがあります。アンサブスクライブでは、サブスクライブによってSteamからダウンロードしたデータをSteamIDの書かれたファイルごと消去しています。これに対してexcludedでは、ダウンロードしたアイテムの中から一つ一つ有効/無効を判定し、無効にしたMODやアセットは、起動時に元からなかったかのように読み飛ばされます。

つまりアンサブスクライブとexcludedには、ライブラリにファイルが残っているか、残っていないかという明確な差があるのです。

そしてInclude/excluded、あるいはEnabled/disabledを判定するデータはプロファイルと呼ばれ、Import/Exportにより複数のプロファイルを自由に差し替えることができます。これにより、MODやアセット、さらにはバニラアセットの読み飛ばしなどの各種設定を瞬時に切り替えることができます。設定を上手く整備すれば、用途に応じて最適な読み込み時間を実現できるはずてす

仮にサブスクライブ/アンサブスクライブで最適な読み込みを実現させるとします。この場合、コレクションで構成を組み替えるにしてもアイテム登録がそもそも大変な上、どの構成でも使わないアセットしか無効に出来ません。コンテンツマネージャーの機能も貧弱ですし、なにより構成を切り替えるたびにダウンロードやストレージへの書き込みが発生し、回線速度や書き込み速度に大きく依存します。したがって、最適な読み込みのために用途に応じてアセット構成を組み替える時間よりも、全てを網羅し冗長な読み込みを待つ時間の方がはるかに短くなるため、構成は変えず、諦めて長い読み込みを待つのがLOM/LOT公開前の常識でした。

LOT並びにプロファイルの登場は、CSLにとってまさに革命でした

例えばこれは筆者のLOMProfilesですが、すべてのMOD・アセットが有効になっているスタンバイプロファイル(_Stand-by)が3600kBに対して、アセット制作用プロファイル(AssetCustom)はせいぜい70kB程度です。使うアセットしか入れなければ読み込みも効率的ですね。またMODゴリゴリアセット盛り盛りジオラマプロファイル(Takahama)も2000kB程度で、筆者の環境ではサブスクライブしているアイテム総数の5割5分ほどしか使っていないことがお分かりいただけるでしょう。アセットを沢山使わなければハイスペックでなくても最適な設定次第でMODゴリゴリでジオラマできますよ。ええ。

こうして筆者の環境では、130にも達するMOD、4000を超えるアイテム、総数16000を超えるアセットを、用途に応じてほんの数秒で切り替えることができ、読み込み時間を最適化できるのです。

Load Order Tool(LOM2)について

Load Order Modは、Kian.zarrin氏によって公開されたオリジナルを継承し、2023年3月28日にT.D.W氏によって公開されました。筆者も先日導入しまして、使いながら情報を精査しています。

UI/UXの超強化

最も違うのはその見た目です。LOT(LOM1)を使ったことのある方はその差に驚かれると思います。日本語対応やアイテムサムネイルの表示など、誰でも使いやすいことが優先されて設計されています。

Mac, Linuxをサポート

LOT(LOM1)では、主に不具合を回避するため、Windowsに限定してサポートしていました。Mac, Linux対応により、システム再構築によるリリース初期の不具合や、機能追加時や本体更新時に予期せぬ不具合が発生するリスクが高まったとも言えますが、そもそも本体アップデートが今後ない可能性も大いにあるわけですから、使えるプレイヤーが増えたことに単純に感謝したほうがよいです。

来たるLOT(LOM2)への強制移行

最後のDLC/CCPリリースが行われる5月以降、LOT(LOM1)はLOT(LOM2-Beta)に、LOT(LOM2)はLOT(LOM2-Stable)にアップデートされることが宣言されています。LOT2→Skyve(beta)に、Compatibility Report→Skyve(Stable)に変更されました。どうしてもLOT(LOM1)がいいWindows版市長様は、今のうちにバックアップを取られることを推奨します。

その他確定的な事項をまとめておきます。

  • 共同開発者としてChamëleon TBN氏がおり、彼のMOD「Compatibility Report v2」の内容をLoad Order ToolからModsのリスト上で確認できること。
  • 将来的にレポート自体もLOT(LOM2)から確認できるようになること。
  • 描写するものが全く別物なので当然ではあるが、LOT(LOM1)より動作がもっさりしていること。
  • パッケージ(MODとアセットが同梱されているアイテム)が無効化・Excludedされた場合は、MODもアセットも一括して無効化できること。
  • Runtime.Net6は不用であること。
  • ベータ版のMODであるため、公開から現在まで不具合報告と修正が日夜行われていること。
  • 前項までに紹介したLOT(LOM1)の機能は全てLOT(LOM2)に引き継がれること。
  • ログファイルの出力などができること。

公開から1ヶ月ほど経ちますが、不具合情報が少なくありません。導入にハードルを感じる方はサブスクライブしないでください。

おわりに

いかがだったでしょうか。

LOTの基礎のきがお分かりいただけたでしょうか。

最近の筆者はLOTなしにはシティーズがプレイできなくなっています。LOM2に乗り換えてからは、さらなる機能拡充などの未来へ向けて胸が熱くなっています。

まだLOM/LOTについて全て解説ができているわけではありません。特に読み込み順序についての解説は機会があれば別のコラムでしたいと考えています。
読み込み順序制御はSkyveにより自動で制御されるようになったので特段の設定は不用です。

Skyveに関する内容はこちらの記事をどうぞ。

よりLOM/LOTの知見を深めたい方はこちらの記事をおすすめしておきます。LOT(LOM1)の内容をかなり詳細に知ることができるはずです。

読破お疲れ様でした。