フォトコンを制するアプローチはひとつではない

フォトコンを制するアプローチはひとつではない

PC版優勝者インタビューに続き、PC版入賞者、そしてスポンサー賞受賞者された皆様にお話を伺った結果、それぞれ異なるプロセスで入賞に至っていることがわかりました。フォトコンを制するアプローチはひとつではない。入賞者の皆さんがどのように考え入賞に至ったのか、その思考を垣間見てみましょう。

PC版2位『休日の立坑』 – 樺太人 さん

2位入賞おめでとうございます!入賞が決まったときの率直な感想を教えてください

実は第2回からフォトコンに炭鉱を題材としたスクショを送り続けてるキツいオタクくんなんですが、2回続けてWeb投票を突破できず…最終選考のライブに出ることも叶いませんでした。
だから今回も悲観的で、しかも一次審査がTwitter上になったから一次すら厳しいかなと泣いてたんですが、蓋を開けてみたら総合2位とsuginoko様賞!
歓喜に飛び上がって大声で「うっせぇわ」を歌い出してしまいました。suginoko様、投票して頂いた皆様。本当にありがとうございます!

第2回からご参加ありがとうございます。2回の一次敗退を経験したということで、今回は相当な工夫をされて臨まれたと思います。今回の作品でこだわりのポイントを教えてください。

今回のテーマである「人工的」というのは、元あった自然に「敢えて」人が手を加えてそれを築き上げたのだ…という”物語”を、一枚のスクショで受け手へいかに感じさせるか、という課題であったように思うんです。
そこで私は、”山(やま)”という海と並ぶ自然の象徴を”炭山(ヤマ)”へ造り変えた「人の築き」――「人工」を一枚で魅せることを企みました。
簡単に言えば”山”と”ヤマ”を対比させようってわけです。そのためには活気ある平日の炭山じゃぁダメなんですよね。それでは 閑静な山 vs 唸る人界の産業 になってしまって対比で醸せるのは「人の営み」でになってしまい、それはどちらかというと前回のテーマ「日常」のほうである気がしたんです。
ゆえに、静かな山に閑やかに佇むヤマ、という構図を取りました。

なるほど、人を映さずにあえて人工「」だけにすることで、より対比を際立たせるということですね。

同じ「自然的沈黙」という条件の下で2つを対比させることで、「沈黙」にミスマッチなヤマのほうが映えてくるように思えたんです。

最後になりますが、今後コンテストに応募する方へのメッセージをお願いします。

幾度もの春の別れ、と書いて「幾春別(いくしゅんべつ)」。この街を育んだヤマは1957年の春には閉山。1987年の春には鉄道も街から去った。春が巡るたびに別れを経て、人影も久しく絶えた廃山の、在りし日の姿を――せめて。

という副題も兼ねて造ってみたのですが、やはりPC版Cities: Skylinesの魅力は、マイクラを凌駕するレベルで「何でも作れる」ことにあると思うんです。遠い日の記憶も、田舎も、現代都市も、近未来も、今回のPC版応募作品を見回す限り何でも出来てしまう。
そこへプレイヤーが吹き込んだ各々の”物語”を評価し合うのがフォトコンで、だからこそ結果は熟練度に左右されないのでしょう(2000時間やっててweb選考2回落ちた私が良い失敗例です)。今回の優勝作品が素晴らしい先例になりますが、クオリティなんて素人も玄人も関係ないんですよね。
つまり何が言いたいかと言うと「腕なんて気にせずみんな奮って参加しようや!!」ってことです。

3位 『鉄道模型ジオラマを作ってみた!』 – Fuchs さん

入賞が決まったときの率直な感想を教えてください

まずは予選落ちだろうと考えていたので予選通過に驚きました。更に3位入賞という結果にはポカンとするしか無かったです。まさか私の作品が選ばれるとは夢にも思っていませんでした。

作品のこだわりポイントを教えてください。どのような点が評価されたと思いますか?

今回は完全なアイデア勝負でした。写実的な作品というのは私の技術力と限られた時間では難しいです。
それなら発想で勝負するしかないと考えまして最終的に行き着いたのが得意分野である「箱庭」でした。 フォトコンテストですし、ネタっぽいので弾かれる可能性もあるので賭けでもありましたが。
箱庭ゲームに箱庭を作るひねりは他の人には出せないはずと突き進みましたが、そこを評価頂けたので嬉しかったです!

今後コンテストに応募する方へのメッセージ、その他伝えたいことがあればお願いします。

私の作品はフォトコンなのにフォトで勝負はしてないない点で邪道かもしれません。しかし皆さんに楽しんでいただけたようですし、評価までいただけました。
Cities:Skylinesをどう楽しむか…新たな楽しみ方を見つけるという挑戦をぶつけてみるのもありかもしれません! 「その発想はなかった」を楽しみませんか? きっとフォトコンテストは受け止めてくれるはずです

4位 『人工島のある街 in 東京』-ぴーぽー信者18745号 さん

4位おめでとうございます。入賞が決まったときの率直な感想を教えてください。

グランプリ決定放送で話しましたが、本来投稿する予定ではないスクリーンショットを投稿してしまったため、入賞はないだろうと思っていました。入賞したときは驚きとともに、間違えた投稿をしてしまった後悔が出てしまい複雑な気持ちになりました。

本来投稿する予定だった作品。同じ場所ではあるが、日光の当たり方やカメラポジションが違うため印象が異なる。

本来の作品で応募できていればどこまで行けたのか、悔しい気持ちがあったということですね。
この作品のこだわりポイントを教えてください。

圧倒的に時間をかけて、なるべく現実の東京臨海部に近づけたことでしょうか。
OverLayer v2というModを使用して実寸大で作成しており、標高などもGoogle Earthなどで測って作成しております。
安直にコンセプトもなく投稿してしまいましたので、それ以上こだわりポイントはありません…。

東京の湾岸エリアはそれだけで充分、画になる魅力がありますから入賞は納得ですね。再現だけでも想像を絶する労力です。

この作品が評価された点はどこにあると思いますか?

見覚えのある都市風景により、インパクトもあって票が集まったのかなと思っております。

今後コンテストに応募する方へのメッセージ、その他伝えたいことがあればお願いします。

私は何も考えずに今まで作った風景を安直に投稿してしまいました。それでも、ありがたいことに入賞することができました。
新しくコンテスト用のマップを作るのもいいですが、今まで開発したマップを使用して「ひと手間」加えてみるだけで素晴らしい作品が生まれるかもしれません。額縁を手前に配置して絵のように見せたり、映える車窓スポットを作って撮影したりなど、考え方によっては色々な表現方法を試せるのがCities:Skylinesかと思います。
時間がない方でも是非挑戦してみてくださいね。

ぴーぽー信者18745号 さんからは、別アングルの写真もいくつかいただきましたので紹介いたします。

レインボーブリッジからの夕焼け
実はしろたんが紛れていた

5位 『ルミナスワールド』 – kazis さん

入賞おめでとうございます!入賞が決まったときの率直な感想を教えてください。

#1から応募し続けてようやく入賞することができて、とてもうれしい気持ちで一杯でした。
1次審査、本審査で投票いただいた皆様、改めてありがとうございます!

作品のこだわりポイントを教えてください。どのような点が評価されたと思いますか?

今回はテーマの英語訳からアートを連想して、一目見て綺麗だと思えるものを目指して作成しました。神乃木様をはじめ、コメントでも同様の感想を頂けてたので狙い通りの作品に仕上がったのかなと思っています。
こだわりポイントは色と線です。
色についてはスポットライトなどの光の色が喧嘩しないように、陰影が綺麗に出るように街の人の色まで気を付けました。
線については車両の軌跡が綺麗な線形を描くようにTMやNCで調整したり、道や建物に曲線を多く使ったものを選ぶようにしたりしました。

今後コンテストに応募する方へのメッセージ、その他伝えたいことがあればお願いします。

自分への反省でもあるのですが、フォトコンはメッセージ性が重視される傾向があるように感じているので、写真の技術(美しさ)とメッセージ性が合わさっていないとなかなか優勝まで結びつかなくなっているように感じています。
今回はメッセージ性度外視で「輝き」に全振りした形を取ったので、次回は何らかのメッセージ性も加味した作品を作れたらと思っています。

スポンサー賞 『里山の朝』- 賀茂橋 さん

スポンサーである ましろ さんより、選定理由を頂戴しているため紹介します。

今回、「写真として美しいか、訪問された賓客にお見せしたいか」という審査基準で選ばせて頂きました。
審査員長の神乃木リュウイチ氏が市長を務める瑞城市の、地主の一族「間代家」の本邸の表玄関のロビーに飾らせて頂こうと思っております。
間代家も、本来は瑞城市で代々農業をなりわいとしてきた一族なのです。
ありがとうございます。
受賞おめでとうございます!

入賞が決まったときの率直な感想を教えてください

今回の作品は上位入賞する気満々で作ったので、一次審査落ちは結構ショックでした。ライブの最後でスポンサー賞を頂けた時は、嬉しさ以上に安堵の気持ちが大きかったです。

作品のこだわりポイントを教えてください。どのような点が評価されたと思いますか?

作業量がとにかく多かったです。同じようなことをひたすら繰り返さなければいけなかったため、飽き性の私にはかなりの苦行でした。
今回のモデルは熊野の丸山千枚田で、完全再現を目指していました。地形の勾配や家屋、道、棚田の配置を出来るだけモデルに近づけるようがんばりました。
ましろ様には最後まで作り切った努力を認めて頂けたのではないかと思っています。

今後コンテストに応募する方へのメッセージ、その他伝えたいことがあればお願いします。

私はこれまでのフォトコンテストで実際の風景の完全再現を試みてきました。完全再現とまでは行かなくとも、モデルを選ぶことで作品に取り掛かる前に良い構図やアイディアを考えることができ、上位進出に繋がるのではないかと思います。

賀茂橋 さんより、別アングルの写真をいただいていますので、いくつかピックアップして紹介します。

作り始めの千枚田
ここまで作るのも相当な労力だが、空白違いの多さに絶望を感じる。
完成後の千枚田。上空から俯瞰すると圧倒的な作業量であることがわかる。
作品と同じ構図の写真。影の伸び方で印象が変わる。

最後にkazisさんより面白い挑戦状を受けたので皆さんも是非遊んでみてください。

【問題】 1~8の写真が作品内のどこから撮影されたものか探してみてください

応募作品
1
2
3
4
5
6
7
8

答えはこのあと










お楽しみいただけましたか?次回記事以降では、審査員による講評記事を予定していますのでお楽しみに。