こんばんは、がともです。『人工的』をテーマにした、第4回CSLフォトコンのエントリー開始が近づいてきました。エントリーは4月29日〜5月9日で、GW期間を目一杯使える日程になっていますので、じっくりと制作できると思います。これまで参加できなかった方もこの機会にぜひ参加してみてください。大会の詳細はこちらをご覧ください。
https://csl-contest.net/contests-en/contest-4
さて、今回の記事は宣伝がメインではなく、過去大会で見られたテクニックに注目してお伝えします。テクニックと言っても写真に関することではなく、Cities: Skylinesやフォトコンだからこその技の部分に着目したいと思います。なお、本稿ではコンソール版の作品をメインに取り上げています。
一瞬を切り取る風景づくり
私たちが開催しているコンテストはフォトコンであり、動画コンテストや都市の完成度を競うものではありません。極端なことを言うと、街として機能していなくても写真さえテーマに沿っていれば問題ありません。そして、その特性を利用した作品がこちらです。
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『観光地の朝』by BAIKOKUさん – 第1回CSLフォトコンより
ゲームの仕様からすると市民は歩道しか利用しませんが、この写真には浜辺を散歩する人々が映っています。これはもともとあった歩道を撮影の直前に消し去り、残った歩行者を撮ることで「砂浜」を散歩しているように見せるという技が使われています。プレイヤーであれば誰しもが、道路を削除した際に取り残された車を見たことがあると思いますが、その歩行者版といえます。
また、同じようなアイデアで撮影された作品がこちらです。
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幼き日の思い出 by Newhorizonさん – 第2回CSLフォトコンより
こちらは葬儀の一コマを切り取った作品ですが、ゲーム的には埋葬する場面ではなく、遺体回収の瞬間を撮影しています。どういうことかというと、遺体を回収するタイミングでここにあった住居を取り壊し、墓地にすり替えて撮影をしています。余談ですが、墓石に見えるものはゴミ箱を並べているそうで、よく見ると上に穴が開いています。
このように一瞬を切り取るフォトだからこそ、建物や道路を壊してそこに残る人やモノを撮影するというテクニックを使うことができます。ゲームが想定する本来の遊び方とまったく異なる遊び方であり、だからこそ面白い面だと思っています。
本来の用途と異なる活用
先ほどの墓石と似たような話ですが、あるものを再現しようとしたときに本来のものとは異なる別のものを代用するというテクニックがあります。
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黎明の山脈 by 錦糸町さん – 第2回CSLフォトコンより
こちらの作品では、山中にある高速道路を歩道を用いて再現しています。歩道にした理由は遠近感を演出したいからとのこと。細い歩道を利用することでより遠くにあるように感じますね。
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竹取物語 by wwwTTさん – 第2回CSLフォトコンより
第2回大会で準グランプリを獲得したこちらの作品ですが、手前の和風建築物はヨーロピアンサバービアの低密度住宅で表現されています。和風建築というとモダンジャパンDLCだけなので、他のテーマから似たような建築物を探すというのは表現を広げる意味で有効ですね。
また、少し違った観点ですが表示不具合を利用した作品もあります。
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雨上がりの巡礼路 by makkori.さん – 第2回CSLフォトコンより
カメラが道路にめり込んだ際に虚無が映り込むことがありますが、これを逆手に取って水溜りのように表現しています。
このように、足りないものを他で代用する技は、普段からよく観察して発想を転換させなければいけないという点では難しい技です。しかしながら、見つけるとライバルに差をつけられる技と言えます。現に今回紹介した作品はいずれも人気でした。
撮影のポジション
フォトコンにおいてはどの視点から撮影するかというのも重要な要素になります。普段Cities: Skylinesをプレイする際は高い位置から街を見下ろすことが多いため、住民目線の作品は目を引く傾向にあると思います。目を引きやすい以外にも、住民目線の作品は物語性を持たせやすいという特性もあります。
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『旅先のホテルからの景色』Newhorizonさん – 第1回フォトコンより
オーシャンビューのホテルの一室からビーチを眺めているという設定です。リゾートホテルに到着してようやく一服、これから出かけるか部屋でゆっくりするか迷っている、といったように受け手側がストーリーを想像することができます。
一人称視点だけでなく三人称視点でストーリー性を持たせた作品がこちらです。あえて女性の後ろから撮ることで、これからの生活に対する希望や不安といった空気感を感じ取ることができます。
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『春』al_1001さん – 第3回フォトコンより
もちろん、俯瞰視点からの作品も良いものが多いです。第4回のテーマは「人工物」ですから、ストーリー性を持たせるよりも俯瞰の方が見栄えが良い場合もあると思います。表現したいものに応じて使い分けるのが重要ですね。これらの撮影ポジションはキャラクターモード等でかなりの工夫ができるためいろいろと試してみてはいかがでしょうか。
おわりに
今回は特徴的な作品で用いられたテクニックを紹介しました。これまで継続して参加されている方々にとっては知ってる内容も多かったかもしれませんが、少しでも皆様の参考になれば幸いです。コンソール版はPC版と比較して「今ある手札を工夫する」ところが最大の魅力ですので、第4回も楽しみにしています。