突然ですが、支柱消しというテクニックをご存じでしょうか?
PC版であれば道路敷設時の当たり判定を無視したり、高架道路の支柱を除去したりと自由な開発ができます。しかしこれらはMODによってもたらされる恩恵であり、コンソール版やバニラのプレイヤーが同様のことをするのは難しいと思われていました。しかし、本稿で紹介する支柱消しテクニックを活用すると、高架道路の柱を削除でき、これまで柱が邪魔して不可能だった幹線道路の上を都市高速が走るような上下二層の道路を建築できるようになるのです。
これはバニラやコンソール版において、道路表現の幅が広がる画期的なテクニックと言えます。なお、本稿の内容はゲーム製作者の意図したものでない可能性があり、今後のアップデートにより使えなくなるかもしれません。それでも構わないという方は是非活用してみてください。
目次
支柱消し
前提知識
支柱消しは特殊な技法であるため、利用する際の注意点、基礎となる技術を先に説明します。
心構え:支柱消しは上から
JCT建設などで高架の道路を他の道路と組み合わせる場合、地面から近い順に敷設するのが一般的です。しかし、支柱消しを使用する区間は上から敷設します。支柱消しをするためには、まず支柱あり高架を敷設する必要があります。その際、下に道路があるとその高架道路すら敷設できなくなってしまいます。よって、支柱消しをする場合は上から建設することを念頭に計画を練ってください。
支柱消しに向かない柱の種類とその解消方法
支柱消しのテクニックは全ての柱に適用できるわけではありません。まずは支柱消しできる柱、できない柱を覚えましょう。
柱の種類は大まかに3つあります。
- どこでも自由に支柱消しできる「柔軟型」
どんな支柱消しにでも対応できる使い勝手のよいタイプです。 - 制限付きで支柱消しできる「頑固型」
とある下ごしらえをしてあげれば支柱消しできるようになる、ちょっとだけ手間のかかるヤンチャボウズです。下ごしらえの方法は次項で説明します。 - 支柱消しなんてまっぴら御免の「超頑固型」
どんなことをしても支柱消しできない、超硬派なヤンキーです。
この違いは道路の「種類」「高さ」「長さ」によって生まれます。詳しくは下の表で確認してください。
頑固型支柱の下ごしらえ
頑固型の支柱を消すためには下ごしらえが必要です。本項ではその下ごしらえの方法を説明します。
やり方は簡単です。頑固型の支柱から横に向かって約5セル以下の分起道を作成してください。こうすることで、頑固な支柱が柔軟な支柱に変身します。柔軟型のように自由度高くというわけにはいきませんが、これで頑固型でも既存の支柱を消す準備が整いました。
ドリル1:頑固な支柱を柔軟な支柱にしてみよう
使用するもの:道路(狭) 二車線道路
27m以上の高架道路を敷設して、二本足の支柱を一本足にしてください。
ここまでで前提知識は身についてるはずです。さっそく支柱消しを実践してみましょう。本稿では汎用的な支柱消しを2種類紹介します。
支柱消しその1:つなぎ直し式
まずは分岐を使った「つなぎ直し式」と呼んでいる支柱消しです。この方法の特徴は、仮設置した本線を一度削除し、再敷設することで支柱を消すという手順にあります。後述の方法に比べ手順が少なく使い勝手がよいため、どちらの手法を使っても支柱消しできる場合はこちらの手法をオススメします。
手順は以下の通り。
- 支柱を削除したい高架道路を用意(ここでは仮本線と呼びます)
- 仮本線からガニ股の分岐道を敷設
- 仮本線を撤去
- ガニ股道路と平行な道路を敷設
説明しやすさのために平行と書いていますが、真ん中の支柱を防げればOKです。詳細は後述の「なぜ支柱消しできるのか?」をご覧ください。
- もともと仮本線があった場所に本線を敷設
- 本線の下に道路を敷設
- ガニ股道路を撤去
ドリル2:半円の弧を「つなぎ直し式」で支柱消ししてみよう
使用するもの:道路(狭) 二車線道路
半径10セルの半円を用意し、支柱消しをしてみてください。
支柱消しその2:接地+高架式
2つ目に紹介する方法は、本線を引き直さずに支柱を消すやり方です。先に紹介した方法よりも汎用的で、この手法でなければ支柱消しできないパターンが存在します。
- 本線を用意
- 本線より高くなるよう盛土
- 未舗装道路を接地させた状態で本線に合流させるように敷設
- 盛土を撤去
- 支柱防ぎの道路を敷設
- 6車線高架道路を交差点に合流
- 未舗装道路を撤去
- 支柱防ぎの道路を撤去
- 本線の下に道路を敷設
- 6車線道路を撤去
なかなかできないという場合は画像のように支柱防ぎを2本、それぞれ未舗装道路の当たり判定ギリギリに設置してみると良いでしょう。
ドリル3:半円の弧を「接地+高架式」で支柱消ししてみよう
使用するもの:道路(狭) 二車線道路
半径10セルの半円を用意し、支柱消しをしてみてください。
ドリル4:「接地+高架式」で鉄道の支柱を消してみよう
使用するもの:鉄道 線路
これまでは道路を支柱消ししましたが、高架線路で支柱消しにトライしてください。線路の場合は線路同士でしか分岐合流できないため、判定がよりシビアになります。
二つの支柱消しの違いと選定基準
「つなぎ直し式」と「接地+高架式」、二つの汎用的な支柱消し方法を紹介しました。これらの方法は以下のような使い分けが可能です。
つなぎ直し式
メリット:手順が少なく、とにかく楽
デメリット:本線の両側にスペースが必要
接地+高架式
メリット:本線の片側にスペースがあれば支柱消し可能
デメリット:手順が多くめんどう
はじめはつなぎ直し式の方が楽に感じますよね。ただし、やりたいことによっては接地+高架式を採用しなければならないパターンも出てきます。それぞれの特徴を把握したうえで使い分けると良いですね。
使い分けの基準ですが慣れないうちは以下を参考にしてください。
慣れると次のように判断できるようになります。つなぎ直し式を基本に、難しければ接地+高架式を採用する感じです。支柱消しをとにかくトライしまくって慣れましょう。
なぜ支柱消しできるのか?
なぜこれらのやり方で支柱消しができるのでしょうか?どのような条件で支柱消しが起こるのかを理解すると、応用的な使い方も腑に落ちやすくなります。原理を理解しなくても支柱消しはできますが、知っておいた方がよいでしょう。使い方だけ分かれば良いという方は本項を読み飛ばしてOKです。
ゲームでは高架道路敷設時に以下のチェックをしています。
- 既存の支柱に対する障害物チェック
- プレビュー**の支柱に対する障害物チェック
上記チェックを通過してはじめて敷設されます。しかし、実際に敷設されると1でも2でもない向きに支柱が生成される場合があります。分岐を考慮した向きに支柱が生成されることが多いため、見た目に配慮した仕様なのでしょう。
** 道路を敷設する際に表示される水色にハイライトされたプレビュー版のことを指します
チェックを通過した時点で道路を敷設することは確定しているのですが、実際に設置するタイミングで障害物があると柱を設置できません。なので、ゲーム的には仕方なく柱なしで道路を建設します。チェック時と異なる支柱が生成される事象を利用した技が支柱消しです。
まとめると支柱消しは以下の条件を全て満たす場合に発生します。
- 既存の支柱に対する障害物がない
- プレビューの支柱に対する障害物がない
- 実際の支柱に対して障害物がある
支柱出し
ここまでは支柱消しを中心に紹介してきました。すべての支柱消ししてしまうと、支柱のない高架道路がずーっと続く非現実的な光景が誕生してしまいます。あえて支柱を出してリアルな雰囲気を出したいという場合は、「支柱出し」を使うと良いでしょう。なお、こちらのテクニックは支柱消しをマスターしてはじめて活用できるものですので、まだの方は支柱消しの習得を優先してください。
また、支柱出しは範囲削除機能を利用できる環境に限定されます。PC版バニラ環境では当該機能がないためできません。
支柱出しの方法
- 二層以上で支柱消しかつ枝を残した状態を用意する
- 上下層についている枝を同時に削除する
ドリル5:鉄道高架+接地道路で支柱出しをしてみよう
使用するもの:鉄道、お好みの道路
終わりに
本稿ではコンソール版やバニラ環境で利用できる「支柱消し」「支柱出し」を紹介しました。慣れるまで時間がかかるテクニックですが、使いこなせれば省スペースに表現を詰め込める武器になってくれることでしょう。次回コラムでは支柱消しの亜種を紹介します。条件次第では今回紹介した汎用的な手順よりも簡単に支柱消しができます。次回もお楽しみに。