コンテスト#2 入賞者インタビュー(2~5位)

コンテスト#2 入賞者インタビュー(2~5位)

こんにちは、Rakushige(らくしげ)と申します。CSLフォトコンテスト第2回は盛況で終わりまして、PC版の入賞者は今回は5名となりました。その入賞した5名にインタビューを行いまして、今回の記事は2~5位に入賞された方々の作品への思いを一挙にご紹介いたします。


2位:はなまるうどんさん『お別れと引き換えに』

第1回に引き続き、第2回のフォトコンの入賞おめでとうございます。2連続入賞のお気持ちをお聞かせください。

ありがとうございます!ライブで頂いた反応を含めとても嬉しいです。

前回に引き続き魅力ある作品を作られていることに、多くの視聴者の方々からの反応が多かったですね。この作品を作るにあたって一番こだわった点や苦労した点を教えてください。

あやはりテーマが相当難しかったですね。「旅」にまつわる自分の思い出をいくつか並べて、それらをヒントに今回の構図まで落とし込みました。前回もそうですが実際の体験として共感してもらえることを1つの目標にしているので、その点ではなかなか上手く出来たんじゃないかなと思っています。

まさに自分自身の体験とその心象風景がCSLの中で再現されたのですね。この作品は前回と同様に光の使い方が非常に印象的だと思います。結果発表の放送時インタビューでも、初めにスケッチを用意してからの制作と伺いましたが、制作過程を詳しく教えてください。

先ほどの内容を含め、まずいくつかアイデアを書き出します。この段階では頭の中にあるだけでボンヤリとしているので、軽く絵を描いてイメージを固めます。次に大きく目立つ建物や道路をゲーム内で仮置きして、うまく表現出来そうなものから最終的に決定するという流れです。光については今回の場合Cubemapに大きく依存するので、これもこの段階でほとんど決めてしまっています。

最初に構図と色合いまで決め、その後に大枠の道路や建物を設置し、細部を作りこんでいくということですね。この作品は街の遠くの方や細部まで作りこまれており脱帽します。もしよろしければ、応募候補だった他のスクリーンショットがあれば紹介していただけますか?

ありがとうございます。ですが最初におおよそのカメラポジションを決めて始めているため、他に大きく視点が異なるような応募候補だったスクリーンショットは残念ながらありません。なので昼間の時間帯で順光にして撮影してみました。夕方/逆光を前提にしてるので、こうするとどこか締まりませんね…。

おお!やはり細部の作りこみが素晴らしいので、これでも十分に入賞のレベルなのではないでしょうか笑。とはいえ仰る通り、夕方・逆光がまさにバシッと構図が決まり、色合いや影にオリジナリティが発揮されている部分だというのもよくわります。ところで丘の上の神社からの風景をテーマにされているのですが、この街やこの視点は、具体的にモチーフとなった場所があるのでしょうか?

まずライブでもご指摘のあった通り京都市の地形からマップを作成しています。実際には(金戒)光明寺というお寺がある場所ですが、立派な門のバックに夕日を眺められる事以外は奥に広がる街を含めほとんどオリジナルです。強いて言えば、お寺の参道に沿って塀が続く感じは同じ京都の仁和寺をイメージしています。

お寺に神社、そして平坦な土地が山々に囲まれている風景はまさに京都を想起させてくれますね。そしてストリートビューで確認してみたのですが、確かに立派な門やその他のpropが光明寺や仁和寺にあるものに似ています!あらためてはなまるうどんさんの観察力と再現力、そして独創性を織り交ぜてくる部分に面白さを感じます。ありがとうございました!


3位:賀茂橋さん『ねーしろたんドライブいきたいね』

第2回のフォトコンの入賞おめでとうございます。入賞時のお気持ちをお聞かせください。

こちらこそ素晴らしいコンテストを企画してくださりありがとうございました。
どの作品も力作ばかりで、入賞できる自信はありませんでした。どこかで軽く紹介されればいいやぐらいに思ってました。3位だと知った時にはとても驚き、汗が止まりませんでした笑。コメントでみなさんも褒めて頂きとても嬉しく思いました。次回のフォトコンは、さらに上の順位を狙えるように頑張ろうと思います!

すでに次回への参加意思表明が笑。
今回投稿されたこの作品は「薩埵峠(さったとうげ)」の実写写真にそっくりで驚愕しました。最終審査の視聴者コメントでも驚きの声がたくさんありました。この作品を作るにあたって一番こだわった点や苦労した点を教えてください。

地形を作るのに苦労しました。地形のデータをhttp://terrain.partyから取り込み、マップエディタで編集しましたが、満足できなかったので、更に数時間かけて実際の地図の等高線とシティーズの等高線をにらめっこしながら微調整をしました。線路や道路を引く際にも、地形が暴れてなかなか思う通りになりませんでした。

やはり実写再現は、地形の再現という難関から苦労されるのですね…!地形が操作しにくいこのゲームでの作りこみの難しさ、苦労は想像以上かと思います。。。
ところで作者コメントで実は富士山の頂上にしろたんが置いてあるとありましたが笑、実はこういうところも作りこんだというものがあれば、よろしければ他の視点の写真も紹介いただけますか?

申し訳ないのですが、他の視点の写真はありません。マップもMODやアセットを整理したため、開けなくなってしまいました…笑。富士山の所に代わりに巨大なしろたんを置いてみたかったのですが、、、笑

おお、、、なんと開けなくなってしまったとは…残念。ではあの写真撮影は二度と撮れない奇跡の一枚のようなものなのですね。しろたんにかける情熱が不思議です笑。
ちょっと毛色を変えた質問ですが、Youtubeライブでリアルな街を作る配信も行っていますね。CSLを始めたのはいつ頃で、きっかけは何でしたか?また、リアル再現をするきっかけも教えてください。

高校生の時からYouTubeなどでこのゲームに興味を持っていましたが、プレイすることはできませんでした。大学に入学し一人暮らしを始め、最初に購入したゲームがCities: Skylinesでした。

最初にプレイしたPCゲームがCities: Skylinesですか!それはすでにちょっとマニアックな道に笑。

当時は低スペックノートPCでプレイしていたので、本格的に遊ぶことができませんでしたが、1年間バイトのお金を貯めて2年目にゲームPCを思い切って購入しました。アセットやMODを多く入れることができるようになったことで、徐々に自分の思い描く街が作れるようになりました。

確かに再現系のプレイをするにはかなりのPCスペックが要求されますね。その環境が整うと自由度がぐっと上がって別の楽しさが出てくるのですよね。

第一回のフォトコンテストに参加するにあたって、私の今まで作ってきた町だと良い構図のエモい写真が撮れなかったので、参考になる写真をネットで探すことにしました。そこで、いっそのことその写真を完全再現すれば良い写真になるに違いないと考えました。残念ながら第一回フォトコンはエントリーすることができませんでしたが、Twitterに投稿したところ、評判が良かったので、第二回も同じ戦法で臨むことになりました。

なるほど!現実の「風景」ではなく、「写真」を再現するという手法に出たのですね。確かにそれであればフォトコンにピッタリです。
最後になりますが、賀茂橋さんにとってCities: Skylinesの魅力を教えてください。

Cities: Skylinesの凄いところは、工夫すれば自由自在になんでも作れることです。プロップを組み合わせてビルや駅を作ったり、自分の家の近所や行ってみたい場所を再現することもできます。私の場合、大学で街作り関係の講義を取ることが多いのですが、演習などで開発案を提示する際にCities: Skylinesで再現してみることで今まで気づかなかった問題点や魅力がわかることもあり、重宝してます笑。

皆様は口をそろえて、このゲームの自由度の高さに魅力を語られます。
そしてこのゲームをプレイしたり興味を持つ人は、必然的に都市開発に興味を持つことも有名です。都市の魅力や問題点をこのゲームで見つけるというのも驚きの使い方ですね笑。
この度はご参加、そしてインタビューへのご回答ありがとうございました!


4位:りぼうさん『旅の終点へ』

第2回のフォトコンの入賞おめでとうございます。入賞時のお気持ちをお聞かせください。

ありがとうございます。気持ちとしては素直に嬉しかったのと入賞まで行くとは思っていなかったのてかなり驚いているといったところです。私に投票してくださった方々に感謝です。

自転車で旅をして、山の上から海を眺める、というわかりやすいコンセプトとストーリーが多くの方の共感を得て入賞になったと感じます。この作品を作るにあたって一番こだわった点や苦労した点を教えてください。

こだわった点はストーリー性のある構図にしたことです。人の視点で撮ったり、自転車旅を思い浮ぶような画像にしたことですね。苦労した点は斜めの土地に沿って街を作っていたので仕上げられるかどうか焦りながら作っていたところですかね。

視点はちょうど人の高さなので、まさに旅の途中でシャッターを切った感じに見えます。そしてたしかに遠くに見える街の風景も相当細かく作りこまれてますね。

Discordサーバーでは頭文字Dの街の再現もされているように見えましたが笑、同じマップでしょうか?

あの首都高の画像はマップの片隅らへんで街づくりの気分転換に作ったものですね。街を作ってるとだんだんモチベが下がる事があるのでそうなるとマップの片隅にちょっとしたジオラマを作ったりしてます。

なるほど!モチベーションアップのために思い付いたジオラマを作るのは楽しい気分転換になりそうです笑。

実はコンテストに応募しなかった視点でこういうところも作り込んだというものがあれば、よろしければ他の視点の写真も紹介いただけますか?

ほかの視点の画像はこれとかですね。

コンテスト応募した写真の撮影場所とは別のところでも検討されていたのですね。さらに作り込まれた街並みも楽しみです。

ところで、りぼうさんがCSLを始めたのはいつ頃で、きっかけは何でしたか?また、リアル再現をするに至ったきっかけも教えてください。

CSLを始めたきっかけはMinecraftのRealTrainModで遊んでいたときに、Unariさんのリツイートから、神乃木さんの『リアルな日本の風景―郊外の住宅街』っていう動画がまわってきて、動画を見た瞬間自分の求めていたゲームだと感じてその日のうちに買ったことですね。

神乃木さんのこの動画は私も衝撃的でした。CSLってこんなことができるのか!と驚きましたね。神乃木さんの動画をきっかけにCSLを購入された方は多いのではないかと思います。

今考えたらセール時に買っといたら良かった笑。

確かにCSLは定期的に大幅値下げのセールをやってますね笑。

買ったときから日本が作れるゲームと思っていたのでリアル再現するようになったきっかけはその日のうちから日本の街を作りたかったからだったになると思います。むしろその時の自分はこのゲームが本来都市経営シミュであることに驚いてましたね。

そもそも日本の風景を作るために始めた、ということですね。ジオラマプレイの動画から入る方は都市開発シミュレーションをしない方もいらっしゃるのだとわかりました笑。

最後になりますが、りぼうさんにとってCities: Skylinesの魅力を教えてください。

3Dの都市経営シミュとしても遊べるし、ジオラマづくりにもできる素晴らしいゲームだと思います。ジオラマづくりとなるとスペックはかなりのものを要求されますが、それ以上に自由度が高くて基本的になんでもできちゃうので楽しいことが多いです。ジオラマプレイじゃなくてもジャンクションや交通関係に興味のある方はぜひプレイしてみてはと思います。

りぼうさん、ありがとうございました!次回以降のコンテストでもお待ちしています。


5位:KAZU0ツさん『Resting by the sea』

※KAZU0ツさんの回答は英語であり、らくしげが翻訳して掲載しています。

スペイン人のKAZU0ツさんは、海外からのご参加で入賞者となりました。

スペインよりCSLフォトコンテスト#2に参加していただき、ありがとうございます。そして入賞おめでとうございます。入賞した気持ちを聞かせてください。

まず初めに、このような形式のコンテストを主催するという素晴らしい仕事をされたCSLコンテストの主催者の皆さんへ感謝いたします。そしてまた、コンテスト入賞者、参加者の皆さんの素晴らしい街づくりにも感謝しています。

コンテストの類で入賞するのは初めての経験で、本当に嬉しいです。日本語の話し方がわからなくても、CSLコミュニティからの他国のクリエーターたちと出会って私の作品を皆さんと共有できる素晴らしい機会でした。

私たちとしても、日本語がわからないという方でも参加していただいたことにとても感謝していますし、もっとグローバルなコミュニティに拡大していければと思っています。

あなたの作品は、京都の舟家をハイクオリティな再現していましたね。なぜ京都の舟家に詳しいのですか?

このプロジェクトに取り掛かる前には、伊根や京都のことはあまり知らなかったです。だけど近年、私は日本とそのポップカルチャーに関わる本質的なものや文化に魅了されてきました。そしてそれが、子供のころからの工学と都市開発への情熱と相まって、お気に入りのゲームであるCSLの中で一緒にしようと思ったのです。
Google Earthと、InstagramやTwitterでフォローしているいくつかの写真アカウントを使えたことがとても助かりました。

日本の風景についてあまり知らない中で、インターネットの画像でここまで再現されるのに驚きです!

この街の写真を見ると、とても細かな部分まで作っていると思います。もし可能であれば、別の角度のスクリーンショットも見せてもらえますか?

いいですよ。別の視点やこの街のとなりのエリアからのいくつかのスクリーンショットをお見せします。

比較的小さな漁業の街で、電車でつながっており山々に囲まれているというところを意識しています。

道路のライン、汚れ、車や家の配置、標識、橋、電線、水の表現など、小さい街中に緻密な作り込みを感じます!これだけの細部までの作り込みには、ある種の職人技を思わせます。

CSLを始めたのはいつ頃で、日本のリアルな風景を作るまでどのようなものを作ってきたのか、教えてください。

CSLは2017年から合計2,300時間くらいプレイしています。このゲームの経営的な面についてはあまり興味を持ったことがなくて、始めた時からすぐに細部の作り込みやサンドボックスとしての観点に関心がいきました。

北アメリカやカナダといった場所や、イギリスやノルウェーといったヨーロッパの北海に囲まれた地域にインスパイアされた街づくりに取り掛かりました。

しかし今年は特に日本に関心があり、2020年6月にこの現在の日本の街づくりに取り掛かりました。最初に作ったものの一つに新幹線駅があります。

新幹線駅と周辺の作り込みも凄いです!

あとは好きなアニメの一つである『頭文字D』に触発された山や地方のエリアも作りましたね。ただ、いまは郊外の都市の近くにある湾港の地区をゆっくりと作っています。

客船と、貨物港らしい運輸施設が揃っていますね。色々な地区も開発されていて、今回応募したのはその一つだったのがよくわかります。

一度に色々な地区を作る作業をするのが好きなんですね。そうやって小さな町づくりでモチベーションを維持しています。

りぼうさんもそのようにお答えされてましたが、小さい地区を少しずつ作ると飽きずにできるのはコツかもしれませんね笑。

最後の質問ですが、KAZU0ツさんにとってCSLの魅力を教えてください。

CSLは創造性とリアリズムを合わせるゲームです。お答えした通り、都市経営の側面も今あるゲームの中で最も優れているものの一つですが、このゲームで細部の作り込みができる側面は私が一番魅力的に思うことですね。

使える作り込みやその要素はこのゲーム自体にはありません。ただこの4年間でプレイと建設を続けられた理由があるとすれば、このゲームの背後にある素晴らしいMODコミュニティでしょうか。MODDERやアセットクリエイターたちが作ったもの、そしてそれがこのゲームが近年どうなったかを思うと、感謝してもしきれませんよね。

仰る通り、このゲームが大ヒットし世界中にプレイヤーがいる大きな理由は、このゲームの面白さを最大限に引き出してくれるMODやアセットの豊富さであり、それを作ってくれるクリエイターたちの存在が不可欠ですね。

次回以降のご参加もお待ちしています。ありがとうございました!