炭都・幾春別。 坑口と市街が暁色に染まり、幌内線の一番列車がエンジンを吹かして駅に滑り込む。 昨日の炭の匂いを濃く残したままの街へ、旅人が一人、降り立った。 幾春別川が朝風にせせらぎ、選炭場のボイラーに火が灯ると、立坑の

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炭都・幾春別。 坑口と市街が暁色に染まり、幌内線の一番列車がエンジンを吹かして駅に滑り込む。 昨日の炭の匂いを濃く残したままの街へ、旅人が一人、降り立った。 幾春別川が朝風にせせらぎ、選炭場のボイラーに火が灯ると、立坑のワイヤーがけたたましく巻き上がる。 旅路の果てに辿り着いたのは、そんな光景であった。  旅人は呟く。「あぁ、炭都の一日が始まる。」

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